冬
来年の収穫に向けて準備が始まります。
生姜にとって水はけの悪い畑は病気も出やすく、生姜の生育も悪くなります。
そこで生姜の収穫が終わったあと、 水はけを良くするために丹念に機械で穴をあけ、水の通りを良くします。その後堆肥を畑全体に散布します。
人間が健康を維持するためには偏食せず、できるだけ多くの種類の食べ物を摂ることが大切ですが、植物にも同様のことが言えるため、使用する肥料も植物粕、魚粕など有機質主体の原料を用います。また、肥料の撒き方にムラがあると生育が不ぞろいになるため、丁寧に均等に撒くように心がけています。
--
春
今年もよい生姜が収穫できるよう心を込めて植え付けをします。
堆肥、肥料の散布が終わると全体をトラクターで耕運し土とよく混ぜます。耕運の作業が終わると植え付けの為の畝を立てます。生姜は水はけの良い畑を好むので高畝にした畝に溝を掘ります。
生姜は芽の出る部分や方向が決まっており、それを見極めながら等間隔に並べる作業となるために熟練した者が手作業で行います。
こうして値付け溝に丁寧に並べられた生姜に覆土します。この覆土の厚さは収穫時の生姜の形状に影響するため特に念入りに行います。土をかぶせた後は、保湿や保温のために不織布を張ります。
夏
害虫、台風など様々な困難に備え、対策を万全にします。
生姜の発育とともに害虫の多い季節となります。生姜の害虫を寄せ付けないための黄色防蛾灯を設置します。夏の夕方になると生姜畑に灯るやわらかな黄色い光は、高知の夏の風物詩となっています。また台風により、大きくなった生姜の茎が根元から折れてしまうのを防ぐために、全ての畑にネットをかぶせます。
茎も太くなり葉もずいぶんと茂ってきますが管理をおろそかにすると根茎の生育が滞り、また生姜の色つやが落ち、品質が低下してしまいます。そのため毎年この季節には少量の追肥を行い、さらなる根茎の生育を促し生姜の品質維持に努めます。
秋
一年間の思いがこもった生姜の収穫が始まります。
地上部に露出したままにすると生姜が緑色になったり、虫に食われたりするため丁寧に土をかぶせて収穫を待ちます。10月中旬から11月下旬にかけていよいよ収穫シーズンを迎えます。
生姜はもともと熱帯性の植物で寒さに非常に弱い野菜です。寒さが強くなり畑に霜が降りるまでに収穫を終えることができるよう総動員で収穫作業にあたります。生姜を栽培するものにとって、もっとも忙しい時期になりますが、大きく立派な生姜を収穫できるこの時期は、私たちの喜びの時期でもあります。